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【interview】農学と工学が融合した植物工場:後藤 英司 教授

  • カテゴリー: 総合
  • 投稿日時:2010/07/04 17:12

食糧自給率の低下や食への不安など,食に関する様々な関心が集まる今,施設内で環境条件を制御し,農作物を生産する「植物工場」に注目が集まっている。
ハイテク技術を利用した最先端の農業現場から目が離せない。


 

露地栽培からの発展

農業生産は、作物を自然の気象条件のもとで栽培する露地栽培から始まり、施設栽培、水耕栽培、植物工場の順に環境制御型のシステムが発展してきた。
「冬に育てることができなかった植物を育てたい」。
そんな想いから、今から約40年前にビニールハウスやガラス室を利用した日本の施設園芸が始まった。
その後、培養液を利用した水耕栽培により、連作障害の解決や、生産性の増大に成功した。そして今、開発が進んでいるのが植物工場。
施設内で、光、温度、湿度、CO2濃度、培養液などを人工的に制御し、季節や場所に関わらず植物を連続的に生産する。

食の不安を吹き飛ばす

農業の発展と地域経済の活性化のカギとして、農林水産省や経済産業省は、大学の研究者や企業と連携し、植物工場の普及に取り組んでいる。
地域人材の雇用と所得の確保や植物工場を活用した新たな産業の創造に繋がる。
3年後には現在稼働している50程の植物工場の数を3倍の150か所にしようと計画中だ。
食糧の安定供給や、農薬を使わない作物生産が実現できるほか、コンピュータで管理することで食品がどのようにしてつくられ、運ばれたのかをたどるトレーサビリティの実施も容易だ。
近年問題となっている食糧自給率の向上や食の安全・安心の確保が実現できると期待されている。

植物ワクチンで世界を救う

完全人工光型植物工場の最前線で研究を行う千葉大学園芸学研究科の後藤さんは、植物を用いて生産するワクチンに注目している。
「インフルエンザなどのワクチンとなるタンパク質を植物に作らせ、予防するんです」。
衛生面の問題で注射が困難な発展途上国でこの植物を食べれば感染症などが予防できる。
鳥インフルエンザなどの疫病に対する、家畜のワクチンとしても利用可能だ。
「製薬会社の片隅に完全人工制御型の植物工場をつくり、農業ではなく製薬業として、製薬会社が管理するんです」。
植物による製薬産業の発展が世界を救う日は近い。

後藤 英司 教授

千葉大学大学院
園芸学研究科生物資源科学コース
生物生産環境学領域

植物工場千葉大学・後藤教授の実験施設で育成されているイチゴ。
高度環境制御システムを導入しさまざまな技術開発に取組んでいる。

 

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