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博士が拓く 持続可能な漁業

長井水産の嘉山定晃さん。
子供の頃からカツオ漁の現場に接し、大学4年生から博士修了までの7年間、カツオの研究に没頭した。
博士号獲得後に入社し、現在は水揚げ、仕分け、仕入れなどを担当する。
嘉山さんは水産業や農業など、一次産業は博士号獲得者に非常に向いていると考えている。その理由を聞いた。

子供のときから触れてきたカツオ

神奈川県三浦半島に、長井水産株式会社はある。
餌になるイワシも多く大消費地も近いため、長井水産でもカツオをよく扱う。
そこで育った嘉山さんは、大学4年生でカツオの研究を始めた。
研究対象は「カツオの稚魚の耳石」。
研究を進めるうちにもっと深くやっていきたいという想いが大きくなり、最終的には博士号まで取得した。

漁業現場と近い研究生活

研究でも、漁業現場は身近だった。「魚のサンプリングには、自分で行くという手もありますが、それは大変なので漁師の方に獲ってきてもらうという手もある。
だから漁師の方と仲良くなる必要がありましたし、そこで漁師さんからヒントをもらったりもしました」。
毎日現場にいる今は、自然現象を捉える機会は研究時代より多くある。
「これが教科書に載っていた現象か、という体験をよくします。自分の頭の中に研究テーマがどんどん浮かんでくる感じで、それを先生と話したりもします」。
自然と密接に関わる漁業を、嘉山さんは肌でも、そして理論でも理解している。

研究経験を水産業の発展に

魚は、新鮮で旬なものほど売れやすい。
また、季節や年によって漁獲量は大きく変わるが、研究で培われた知識を活用し、変動を捉えた上での経営戦略立案やマーケティングも可能であると嘉山さん考える。
また、産地や流通の情報に対する消費者ニーズが高まる中、専門知識は魚に付加価値を与える。
「水産の研究はいかに効率よく漁獲し、その上で水産資源を維持できるかを研究する学問。
魚はうまく獲ればまた増える。
資源を管理して永続的に獲れるよう、水産会社がそれをコントロールして持続可能な形を作ることができればと考えています」。
研究生活で培われた能力を活かした大きな挑戦は、始まったばかりだ。(文・坂本 真一郎)
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