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消費者に届くまで、プロデュース 「みやじ豚」

都会の雰囲気を感じる小田急線湘南台駅。そこから車で15分の場所に、株式会社みやじ豚の養豚場がある。
経営するのは、宮治勇輔さん。
高品質の豚肉と独自の経営システムで注目を集めている。

会社員時代、宮治さんは起業家を目指して勉強するうち、「生産者は、自分で作ったものが消費者に届くまでを一貫してプロデュースできていない」という農業の根本的な問題に気付き、27歳で父の道を継ぐ決心をした。
その視点と志は、みやじ豚の経営に活かされている。
経営システムの特徴はブランド化とプロモーションにある。
父の代から品質にこだわっていたが、流通経路は一般の豚と同じで、と畜場で処理された枝肉は、農協を通じて一次問屋に卸され、農協の豚として部位別に販売されていた。
ここに目をつけ、販売される豚肉のうち必要な部位だけ買い戻し、それを独自ブランド「みやじ豚」として出荷する仕組みにした。ブランド化によって、キロあたりの利益率ははるかに向上する。
みやじ豚 プロモーションもユニークだ。
ホームページで参加者を募り、みやじ豚を用いたバーベキューを行う。
ここでは消費者と本当の意味で顔の見える関係が作られる。
バーベキューでみやじ豚の味を知った人の口コミやメディア掲載によって、レストランから声がかかり、新たに口コミが生まれ、さらに販売先が拡大するという好循環で、販売先が拡大している。目指していた、自分でプロデュースして消費者に届けるかたちだ。
養豚場の規模拡大は考えていない。理由は「みやじ豚ではなくなるから」。
こだわりを持って育てられる範囲でおいしい豚を作ることを重視する。着実にブランドを育てる道を選んでいるのだ。
加えて、宮治さんは今後、「こせがれネットワーク」での活動を通して、都市部で働く農業者のこせがれが家業を継ぎたいと思える環境作りを試みている。
「農業を、かっこよくて・感動があって・稼げる3K産業にする」。仕事への誇りと志を持つ宮治さんには、その3Kが備わり始めている。(文・田中 麻美)


株式会社みやじ豚

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